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ウクライナ紛争の原因は何か?

 
f:id:r-types:20160607193548j:plain2014年3月、ヨーロッパの東端を舞台に大事件が発生しました。ウクライナの南部に位置するクリミア半島を、ロシアが領土として編入したのです。

 ロシアがクリミア問題に軍事介入して以来、それを看過できないアメリカやEU(欧州連合)が経済制裁を発動して対抗するなど、ロシアと欧米との関係は冷戦終結以来、最悪になっています。

 そんな中、2014年7月、ウクライナ東部を飛行していたマレーシア航空の旅客機が撃墜され、300名近い乗員・乗客が死亡するという悲劇も起こりました。誰が、どんな理由で撃墜したのか、真相はいまだに藪の中です。

 なぜ、ウクライナ紛争は勃発したのでしょうか。

 最大の要因は、ウクライナの位置する場所にあります。

「これまでの世界を振り返ってみると、主な紛争は、異なる文明圏の『境目』で起きてきた」と論じたのが、アメリカの国際政治学者サミュエル・P・ハンティントンの『文明の衝突』という名著です。

 たとえば、欧米の「キリスト教文明」とアラブの「イスラム文明」が接する境目で紛争が起きてきました。古くは十字軍にさかのぼり、現代の湾岸戦争イラク戦争も、まさにキリスト教文明とイスラム文明の対決のように見えます。

 また、隣国同士であるインドとパキスタンは3度にわたる印パ戦争を繰り返し、現在も対立していますが、これは「イスラム文明」と「インド(ヒンドゥー)文明」のぶつかり合いによるものです。あるいは、中国が抱える新疆ウイグル自治区の民族問題も、「中華(中国)文明」と「イスラム文明」という異なる文化圏のぶつかり合いが背景にあります。

 このように考えると、ウクライナ問題がなぜ起きたか理解できるでしょう。

 ウクライナも2つの文明圏のちょうど「境目」に位置しています。すなわち「西ヨーロッパ文明」と「ロシア文明」の対立の構図が存在するのです。

「えっ、ロシアってヨーロッパの一部じゃないの?」

 と思う人もいるかもしれません。しかし、世界史の観点からいえば、ロシア文明はヨーロッパ文明とは一線を画しています。

 その理由について、ヨーロッパの成り立ちを少し掘り下げて考えてみましょう。