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日本はなぜ、原発を止められないのか

歴史本

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 福島原発事故という巨大な出来事の全貌が明らかになるには、まだまだ長い時間が必要です。政府はもちろん情報を隠蔽し続けるはずですし、米軍基地問題のように、関連するアメリカの機密文書が公開されるまでには、30年近くかかります。

 もちろん私たちにそれを待つ時間はのこされていません。歴史的経緯がきれいに解明されたとき、すでに日本全土が放射能で汚染されていては意味がないからです。ですから原発を動かそうとしている「主犯はだれか、その動機はなにか」という問題について、棚上げにすることをお許しください。

 主犯はいったいだれなのか。みずからの間違いを認め、政策転換をする勇気のない日本の官僚組織なのか。原発利確をあきらめきれない自民党の政治家なのか。同じ自民党のなかでも、核武装の夢を見つづけている右派のグループなのか。

 それとも電力会社に巨額の融資をしてしまっている銀行なのか。国際原子力村と呼ばれるエネルギー産業やその背後にいる国際資本なのか。その意向を受けたアメリカ政府なのか。

いろんな説がありますが、実態はよくわかりません。とりあえず今回は、犯人は「原発の再稼働によって利益を得る勢力全員」と定義しておきたいと思います。

 より重要な問題は、「動かそうとする勢力」ではなく、「止めるためのシステム」のほうにあります。福島の事故を見て、ドイツやイタリアは脱原発を決めた。台湾でも市民のデモによって、新規の原発(台湾電力・第四原子力発電所)が建設中止に追い込まれた。

 事故の当事国である日本でも、もちろん圧倒的多数の国民が原発廃止を望んでいる。すべての原発が停止した2014年夏、電力需要のピーク時に電力は十分な余裕があり、原発を全廃しても日本経済に影響がないことはすでに証明されている。

それなのに、日本はなぜ原発を止められないのか。